2020/08/05【三山春秋】本棚の奥から1冊の本を久々に取り出した...
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 ▼本棚の奥から1冊の本を久々に取り出した。『復活の研究』(日本経済新聞運動部編)。2003年第1刷とあるから、もう古い本だ。スポーツを巡るさまざまな復活劇をまとめている

 ▼大相撲7月場所で元大関、照ノ富士が優勝し、同書を思い出した。両膝のけがや内臓疾患で序二段まで番付を落とし、今場所約2年半ぶりに再入幕を果たしていた

 ▼30場所ぶりの賜杯獲得は43場所の琴錦(旧箕郷町出身)に次いで2番目に長いブランクというから、復活劇が一層際立つ。「いろんなことがあったけど、笑える日が来ると信じてやってきた」。コメントに励まされる人も少なくないだろう

 ▼冒頭の本に桐生市出身のプロゴルファー、中嶋常幸さんの話も載っている。国内ツアーで4度の賞金王に輝くなど華々しい成績を残した後、極度のスランプに陥り、賞金ランクシードも失った

 ▼練習法を工夫したり、メンタルトレーニングを積極的に取り入れたり、沈んだままではなかった。2002年、7年ぶりに復活優勝した。〈「復活」ではなく、今までと全く違う自分を作り上げたのだから「新生」が正確と中嶋はいう〉

 ▼同書が描いている「復活」はかつての自分に戻すのではなく、勇気を持って新しいものを創造すること。「もう一度新弟子になろう」と決め、はい上がったという照ノ富士にも通じる。

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