2020/09/16【三山春秋】「やわらかなボール」は旧箕郷町出身の...
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 ▼「やわらかなボール」は旧箕郷町出身のテニス選手、清水善造(1891~1977年)を語る際に欠かせない逸話。相手選手がプレー中に転倒してポイントを奪える絶好機に、起き上がって打ち返せるように緩やかなボールを送ったと伝わる

▼四大大会最古の歴史を持つウィンブルドン選手権に日本人として初めて出場した。実は真偽は不確かで、逸話が生まれた試合にも諸説ある。初出場したウィンブルドンとする説もその一つ

▼ちょうど100年前のことだ。前年優勝者への挑戦権を懸けたビル・チルデン(米国)との決勝だろうと、7月にオープンした高崎市の清水善造メモリアルテニスコートで教えてもらった

▼全米オープン女子シングルスで大坂なおみ選手が2度目の優勝をしたのを機に、かつての快挙を知りたいと訪ねた。写真や新聞記事、ラケット、蔵書を展示する

▼大坂選手は人種差別への抗議のため、決勝までの試合数に合わせて警官による射殺など黒人被害者の名前を記した7枚のマスクを用意し、全てを披露した。インタビュアーに思いを問われ、「あなたがどう受け止めたかに興味がある」と返した

▼語り口はとてもソフト。簡単に打ち返せるボールではないかもしれないが、一人一人しっかりと向き合わなければならない、大坂選手からの「やわらかなボール」だ。

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