2020/09/25【三山春秋】蚕の伝染病、微粒子病が...
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼蚕の伝染病、微粒子病がフランスで発生し、欧州にまん延したのは19世紀半ば。繭と生糸の生産国だったイタリアも大きな打撃を受けた

 ▼日本の蚕種の需要が高まる中、イタリアへの直輸出に挑戦したのが現在の伊勢崎市境島村にあった島村勧業会社。日本で最初の蚕種株式会社だった。1880年2月、田島弥平ら派遣された3人がミラノで蚕種の直接販売を始めて今年で140年を迎えた

 ▼富岡製糸場世界遺産伝道師協会の町田睦さんが歴史をリポートにまとめた。コロナ禍で外出自粛になった時間を自主研究に充てたという。「先人のたくましさを知ってほしい」と願いを込める

 ▼コロナ禍に、どんな一歩を踏み出すのか。伊勢崎市の大学生、村上あやさんは地元の絹織物、伊勢崎銘仙と向き合った。自身が手掛けるアパレルブランドでアフリカの生地を扱ってきたが、思いがけず国内にとどまり、郷土の文化を“織り直す”ことになった

 ▼100年前の銘仙を使って若い女性向けのパンツを商品化、今月から販売を始めた。村上さんが銘仙に魅了されたのは鮮やかな色柄だけでなく、職人のこだわりや銘仙を次世代に伝えたいという地元の人の熱い思いだろう

 ▼群馬県の絹の歴史、文化は広くて深い。コロナ禍でも、バトンを渡そうとする人、受け取ろうとする人たちがいることが心強い。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事