2020/09/28【三山春秋】東京・日本橋に金魚を観賞する...
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼東京・日本橋に金魚を観賞する「アートアクアリウム美術館」がオープンした。赤や紫の光で彩られた幻想的な水槽に3万匹が泳ぐ。2007年から全国を巡回して1000万人超を集めたが、初めて常設の展示場ができた

 ▼萩原朔太郎の『純情小曲集』に「金魚」という詩がある。〈金魚のうろこは赤けれども/その目のいろのさびしさ。/さくらの花はさきてほころべども/かくばかり/なげきの淵に身をなげすてたる我の悲しさ。〉詩人はその目に寂しさを見たようだ

 ▼祖先は1700年以上前に中国で見つかった突然変異の赤いフナ。室町時代に渡来し、江戸時代後半に飼育が盛んになった

 ▼愛好家が気の遠くなるような時間をかけて新品種を生み出した。琉球経由でやって来たことが名の由来となった琉金。頭部の肉瘤にくりゅうと舞うようなひれが美しいオランダ獅子頭。丸い体と真珠のようなうろこが人気のピンポンパール

 ▼泳ぐ姿を上から見るのが伝統的な観賞法だが、ガラス水槽が普及してからは横から見るのが一般的に。お気に入りの器に1匹を泳がせる「どんぶり金魚」という飼い方を楽しむ人もいる

 ▼夏祭りがなかったせいか、今年は金魚すくいに夢中になる子どもを見ることがなかった。出目金を狙ってポイが破れ、露天商から赤い金魚を1匹もらって帰った昔を思い出した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事