2020/10/02【三山春秋】上毛かるたでタヌキを描いた絵札が…
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 ▼上毛かるたでタヌキを描いた絵札が子どもたちに人気の「分福茶釜の茂林寺」。約600年前に開山した館林の古刹こさつで先月、本堂かやぶき屋根のふき替えが始まった

 ▼十数年前まで隣接する茂林寺沼の湿地でヨシを刈り取り、屋根材として利用してきた。そこには沼辺に暮らす人々との共生が保たれた「里沼」の歴史的背景がうかがえる

 ▼国内では古民家や伝統的建造物をイメージするかやぶき工法も、エコロジー(自然環境保全)への関心が高いヨーロッパでは優れたデザイン性と併せて高く評価されている

 ▼オランダでは消防署などの公共施設で、ドイツのリゾート地では高級ブランド店や富裕層の別荘などの屋根や壁にかやぶきを使った新築の建物が存在するという

 ▼茂林寺の作業現場では、東アフリカのウガンダ出身、ヌセレコ・サムエルさん(34)が熟練した職人の指示を仰ぎながら働く。4年前に来日し、若手の育成に取り組む宮城県石巻市の会社に就職。高度な技術の習得を目指して修業している

 ▼建築業界では優れた技術を持つ職人の高齢化が進む。そんな中にあって、材料の調達から全ての工程までを手掛け、柔軟な発想で現代の暮らしに合ったかやぶき工法を提案するこの会社には国内外から若者が集まる。日本の伝統を守りながら新たな価値を生み出す姿勢に学ぶことは多い。

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