2020/11/15【三山春秋】なじみにしていた書店の…
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 ▼なじみにしていた書店のブックカバーを捨てることができず保存している。小学生のころから通った前橋の書店が営業をやめたとき記念にと取っておいたのがきっかけで、他の店のものも加わり、増え続けている

 ▼名物として知られたまんじゅうの包装紙と箱も、同じように残してきた。自分だけの思い出の品と思っていたが、前橋市立図書館の所蔵資料展「前橋中心商店街の包装紙デザイン」で、そうしたもののもつ価値の大きさを教えられた

 ▼展示されているのは、まちなかの商店で実際に使用されてきた包装紙の数々だ。広告や店の場所が分かる古い地図を含め、どれも新鮮な驚きを与えてくれる

 ▼明治、大正期に創業し現在も営業する老舗をはじめ、惜しまれながら閉店した懐かしい玩具店、薬局、呉服店、デパートや、2年前にオープンしたばかりの和菓子店の包装紙もある

 ▼個性あふれるデザインを見ていると、店の外観や店内の様子が浮かんできた。その一つ一つに困難を乗り越えてきた商店の軌跡や店主らの思いが刻まれており、各時代の前橋のまちの姿を伝える貴重な歴史遺産であることが分かる

 ▼中心市街地で今、民間主体による魅力づくりが、さまざまな方法により進められている。その事業のなかで、展示から伝わる地元商店の蓄積に、より強い光が当てられることを願う。

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