2020/12/16【三山春秋】ボクシングのクリンチは…
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 ▼ボクシングのクリンチは相手の体に腕を回し、抱きつくような形になること。連打から逃れたり、ダメージを回復したりする正当な防御テクニックだが、頻繁すぎると警告の対象だ

 ▼派手なノックアウトを期待する側としては、クリンチばかりだと面白くない。思わず「もっと打ち合え」と声を上げてしまう

 ▼政府が「勝負の3週間」と訴えた11月25日からの新型コロナ対策をクリンチに例える知人がいて、「なるほど」と感心した。政府が発信する「マスク会食」などの対策は小出しで、クリンチで逃げてばかりの凡戦に見えたらしい

 ▼自分がレフェリーなら、対策を促す警告を出すとか。感染者が増える中続く観光支援事業「Go To トラベル」も懸念していた。クリンチは全国紙の川柳欄からの受け売りというが、上毛川柳を見ても〈自粛に頼るだけ〉〈アクセル踏んで第3波〉などと手厳しい

 ▼菅義偉首相は14日夜、GoToトラベルを今月28日から1月11日まで全国で一時停止すると表明した。限定的な見直しから方針を転換し、「最大限の対策」(菅首相)となる

 ▼クリンチ一転、KO狙いの右ストレート、というと失礼か。ボクシングでは「左を制する者は世界を制す」と言われ、左ジャブの大切さを説く。コロナを倒すには小刻みで的確な左ジャブ、いや対策がもっと必要だ。

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