2020/12/29【三山春秋】「ジャジャジャジャーン」。冒頭を…
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 ▼「ジャジャジャジャーン」。冒頭を聴けば誰でも曲名が分かり、一気にその世界に引き込まれる。ベートーベン「交響曲第5番『運命』」である。第1楽章は、この4音の主題を300近く重ねて構成されているという

 ▼今月5日、群馬交響楽団の創立75周年記念の演奏会直前に公開された最終リハーサルで、群響ミュージック・アドバイザーで指揮者の小林研一郎さんが教えてくれた

 ▼リハーサルでは、団員に音の表現法や体の使い方を伝え、感情に訴えかける音色にしていく過程も見られた。数時間後にテレビ中継された本番は楽聖の緻密な「仕掛け」を意識でき、より楽しむことができた

 ▼この2日前には、首席奏者6人がソリストとして出演する演奏会があった。小林さんが提案したもので、“主役”を務めた奏者は仲間との協演を喜び、来場者はレベルの高さに感激した

 ▼いずれも中止されたベトナム公演に代わるイベントや特別企画。小林さんの音楽に対する情熱に触れる場にもなり、こうした形をもっと見たいと思った

 ▼代替公演は目標を大きく上回るファンの寄付で運営された。団員は応援を肌で感じ、励まされただろう。コロナ禍で苦しむ群響だが、従来にはない活動や演奏配信に挑戦するなど可能性を広げ、県民とより密接になる機会となったはず。決して「不要不急」ではない。

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