2021/01/17【三山春秋】古い地図や写真を見ていて…
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 ▼古い地図や写真を見ていて、時がたつのを忘れてしまうことがある。数年前、必要に迫られ、昭和30年代の前橋市の住宅地図を確認していたときがそうだった

 ▼子供時代によく行った中心市街地と周辺の商店、施設などが次々と見つかり、懐かしさに心が弾んだ。これに当時の写真が加われば、さらに鮮明に記憶がよみがえるのではと思ったが、祭りなど以外の日常の風景を撮影することがまだほとんどなかった時代である

 ▼ところがその写真が思わぬ所に残されていた。一昨年末、前橋敷島小(同市昭和町)のPTA本部役員がPTA室を大掃除中、昭和20~30年代のスライドフィルムを偶然発見したという

 ▼開校90周年に合わせて当時のPTA関係者らが学校周辺の様子を撮影したものだった。歴史を伝える貴重な記録ととらえた本部役員は、最も多い1958(昭和33)年のフィルムをデジタル化し110点余りを印刷した

 ▼カラーで医院や商店のたたずまいをしっかりとらえているのが特徴だ。これらを紹介する「前橋の今昔写真展」が前橋平和町郵便局で 開かれている

 ▼今も営業する菓子店や雑貨店、移転した企業、店を閉じた書店もある。伝わるのは撮影者の地域に寄せる深い愛着である。それを継承できているだろうか。63年を経て 届けられたメッセージに耳を傾けたい。

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