2021/02/25【三山春秋】めでたいの鯛に長寿を意味する鶴と亀…
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 ▼めでたいのたいに長寿を意味する鶴と亀、レンコンは見通しよく穴が開いている。高崎市の薗辺祝夫ときおさん(77)、美和子さん(73)夫妻の自宅を訪れると、色鮮やかな縁起物のつるしびなが目に入り、気持ちが温かくなった

 ▼幾千体ものひなは美和子さんの手作り。夫妻は仙台市にあった家が東日本大震災で住めなくなったため、縁あって高崎に引っ越した。知り合いはいなかった。寂しさを打ち消しながら復興を願おうと、美和子さんは丹精込めて趣味のひな作りを続けた

 ▼桃の節句と3月11日が近づくこの時季、観覧希望者を自宅に受け入れてきたが、今年はコロナ禍で見送った。「巣ごもり生活で数は増えたのにね」。2人は残念そうだ

 ▼震災から間もなく10年。地域に支えられてなじんだ暮らしも年齢による不安が出ている。家は市街地から離れた住宅団地周辺にあり、生活に車が欠かせない。祝夫さんは身体の機能低下で運転免許の更新が危うかった

 ▼高齢化が進む団地の住民向けに高崎市は新年度、約6000万円を投じて乗り降り自由の無料タクシーの新ルートを設ける。使い勝手が良ければ夫妻も利用するという

 ▼新型コロナは財政を直撃し、自治体は例年以上に予算編成に苦心している。それでも、必要な人に大事なお金を使いたい。開会した各議会は先を見通して審議してもらいたい。

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