2021/03/17【三山春秋】毎朝どこかで新しい花が…
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 ▼毎朝どこかで新しい花が咲き、休眠から目覚めた草木が競うように新芽を膨らませている。行ったり来たりを繰り返していた春が、すぐ手の届くところまで来た 

 ▼わが家の鉢植えのニホンサクラソウにも小さな葉が見える。かれんな姿が好きで、毎年増えた株を大切にしてきた。欲しい人に分けてあげると、わが子が嫁ぐようで何だかうれしい

 ▼愛着があって使わなくなった楽器を手放せない人も多いことだろう。そんな琴を譲ってほしいと1年半前、館林四小が上毛新聞を通じて呼び掛けた。するとその日のうちに北毛地域の夫妻から琴2面が届いた。申し出はその後も続き、県内外から計60面以上が集まった

 ▼同校は児童60人余りの小規模校。館林市内の学校が集まる発表会で存在感を示そうと音楽クラブが琴の演奏を始め、学校には箏曲合奏室もできた。児童は楽譜「奏法譜」を読み、6年生が全員で合奏するまでに上達した

 ▼コロナ禍で披露する機会は校内に限られたが、伝統を持つ館林女子高箏曲部とリモート交流会も実現した。「高校で全国大会を目指したい」と話す児童もいるという

 ▼善意の琴は、仲間と演奏する喜びや邦楽に触れる貴重な経験だけでなく、夢も運んでくれたようだ。旅立ちの春。希望を胸に羽ばたく子どもたちへ、贈り主の皆さんと一緒にエールを送りたい。

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