2021/3/30【三山春秋尋常高等小学校の木造校舎を移築した…
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼尋常高等小学校の木造校舎を移築した川場村歴史民俗資料館を訪ねた。古い農具や生活道具が並ぶなかに、1964年東京五輪の聖火リレーで使われたトーチがあった

 ▼これを掲げて走ったのは当時沼田高校2年生の外山良夫さん。「三国峠の少し先を走った。緊張して、火を消さないよう次の人に渡すので精いっぱいだった」

 ▼前回東京五輪の聖火は10月4日に新潟県側から旧新治村に到着。本県を3日間かけて縦断し、埼玉県側に引き渡された。正走者や副走者、随走者合わせて1587人が69区間91.6キロを走った。沿道は聖火を見ようと集まった大勢の人であふれた

 ▼県庁前では1万5千人が待ち受けた。「聖火県都にあかあかと/三十万の人波わけて」。当時の上毛新聞は熱狂する県民の声を伝えている

 ▼県庁に届けたのは日本山岳・スポーツクライミング協会長で日本オリンピック委員会評議員の八木原圀明さん。「ランナーに選ばれたうえ、県庁前の一番いい場所を走った。いつか孫に自慢できると誇らしかった」と振り返る

 ▼57年の時を経て、福島県を出発した聖火はきょう、あすの2日間、県内を駆け抜ける。新型コロナの流行で五輪開催を疑問視する人も多いなか、炎は再び国民の胸を照らすことができるだろうか。祝祭の火は7月23日の開会式で国立競技場にともされる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事