2021/04/01【三山春秋】日々の生活をつづった日記も…
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 ▼日々の生活をつづった日記もこつこつと37年続けば、その時代の記録となる。松平直矩なおのり(1642~95年)が17歳から亡くなるまで記し続けた『大和守やまとのかみ日記』は藩政から鷹狩り、観劇、ハゼ釣りの釣果まで大名の生活をうかがえる貴重な史料だ

 ▼江戸時代に前橋藩を治めた松平大和守家は幕府の命令で12回も領地を移す国替えを経験した。参勤交代が長期出張とすれば、部下ともども引っ越しを伴う転勤である。特に北は山形、南は大分まで生涯で7回も国替えした直矩は「引っ越し大名」とも呼ばれた

 ▼国替えは千人単位の家臣全員を引き連れての移動になり、膨大な費用がかかる。大名は商人への金策に奔走したり、家財道具を売り払って捻出したが、引っ越し貧乏の松平大和守家は常に財政が厳しかった。行く先々、直矩はどんな心境で毎日を記録し続けたのだろう

 ▼新年度がスタートした。入学や就職、転勤で古里を離れて見知らぬ土地できょうを迎えた人、群馬に戻って第一歩を踏み出す人もいるだろう

 ▼新型コロナにより昨年は引っ越しもままならなかった。進学先の新居を引き揚げ、級友に会うことなく地元でリモート授業を受ける大学生もいた。今年こそ新天地に期待が膨らむ春であってほしい

 ▼小欄も慣れ親しんだウナギの寝床から若干広い新居に引っ越した。気持ちを一新しつつ、こつこつとこれからも日々を積み上げていきたい。

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