2021/04/14【三山春秋】赤城山の魅力を問われたなら…
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 ▼赤城山の魅力を問われたなら、上毛かるたの読み札にあるように長い裾野を挙げる人が多いだろう。眺める場所で見え方が変わるのも山の魅力。〈あかぎ山うちから見ると一番いい〉。本紙「朝の一句」からは誇らしそうな子どもの顔が浮かぶ

 ▼多彩なのは麓から見える姿だけではない。レンゲツツジやニッコウキスゲといった植物をはじめ、野鳥などさまざまな生き物の宝庫でもある

 ▼「春の女神」と呼ばれるヒメギフチョウもその一つ。北海道から本州中部まで局所的に分布するが、関東では赤城山のごく限られた場所が唯一の生息地となっている。県天然記念物に指定され、渋川市教委や市民団体が連携して保護に取り組んでいる

 ▼卵を産み付けやすいように下草を刈ったり、卵を守って育てた幼虫を放したり。だが近年は、シカが幼虫の食草であるウスバサイシンを食べてしまう被害が深刻化している。調査する「赤城姫を愛する集まり」の篠原豊さんによると、昨年確認できた成虫は実数でわずか20匹ほど。絶滅の危機に直面している

 ▼葉を一枚ずつ裏返して卵を数えるなど、高齢の会員にとって山での活動はけっして楽なものではない。高校生が協力してくれるようになったのが心強いという

 ▼ことしは例年より季節の進みが早く、20日ごろから飛び始めそう。ヒメギフチョウの姿をいつまでも誇れるよう、取り組みの輪が広がってほしい。

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