2021/04/15【三山春秋】もくもくと煙を上げる…
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 ▼もくもくと煙を上げる山肌にヘリコプターが空中散水する映像が記憶に新しい。春先に相次いだ両毛地域の林野火災。栃木県足利市の両崖山での発生から4日後の2月25日、桐生市黒保根町の山林から出火した

 ▼鎮火までの4日間、懸命な消火活動が展開された。消防隊員に加え、黒保根方面団を中心に延べ238人の消防団員が出動。焼失面積約20ヘクタールと近年ない規模の現場で、切り株や下草の残り火を人海戦術で消して回った

 ▼空気が乾燥するこの時季は火災が増える。先月の週末、筆者の自宅近くでも林野火災が発生した。昨年加入した消防団の会員制交流サイトに一報が流れると、出動を告げる団員の書き込みが続々と届いた

 ▼有事に存在感を発揮する消防団員だが、なり手不足が深刻だ。全国で1955年に200万人近くいたが、90年に100万人を割り込み、昨年は約81万8000人まで減った。本県でも減少が続き、昨年4月時点で1万1244人と過去最少を更新。2年前から定員の9割を下回っている

▼消防庁は待遇改善が団員確保につながるとみて、年額報酬や出動手当の引き上げを議論しており、今夏にも対策を打ち出す方針という

▼県は近年、大学生の勧誘に力を入れている。待遇改善や若者への周知徹底で、団員減少に歯止めがかかるといい。消防団の充実は、防災力の維持だけでなく、地域社会の活性化にもつながる。

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