2021/04/18【三山春秋】タケノコを煮た、と母から…
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 ▼タケノコを煮た、と母から声が掛かり、いそいそと受け取りに行った。実家の竹やぶで採れた初物である。シャキシャキとした歯触りと一緒に旬を味わった

 ▼テレビドラマの脚本家、向田邦子は〈たけのこの皮むき。蕗(ふき)の皮むき。このふたつは特にたのしい〉とエッセー集『夜中の薔薇』につづっている。〈たけのこは、もうこの辺でよそうか、と迷いながら、もう一枚もう一枚とむいてゆく面白さ〉と続く。春の恵みを手にした、弾むような気持ちを感じる

 ▼青々とまっすぐ伸びる姿や生命力の強さから、竹は縁起物の代表格である。風情ある竹林は観光名所にもなる。だが荒れた竹やぶとなると話は別だ。県内でも放置された竹林の拡大が問題になっている

 ▼光を遮って他の木々を枯らしたり、イノシシのすみかになったり。急斜面では土砂災害につながる危険もあるというから対策が急がれる。伐採するだけでなく、資材や食材として活用の幅が広がるといい

 ▼新田暁高の生徒が地元にある放置竹林のタケノコでメンマを作り、商品化を目指すという。これまでも地域の課題解決と結び付けた食品加工に取り組んできた。新たな特産品になるか見守りたい

 ▼掘って食べることも対策の一つなら、張り切って貢献する。炊き込みご飯や天ぷらもいい。旬の今なら存分に味わえる。作ってもらうばかりでなく、皮むきもあく抜きもいとわず楽しみたい。

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