2021/04/21【三山春秋】2019年夏の高校野球群馬大会…
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 ▼2019年夏の高校野球群馬大会期間中、高崎高校の境原尚樹監督(57)は白血病と診断され、緊急入院した。闘病の末、昨年2学期から学校に復帰し、野球部副顧問を経て、開催中の春の大会は監督としてベンチに戻った

 ▼診断を受けて思ったのは「あと何カ月生きられるか」。そんな時、担当医の言葉が支えとなった。「最期をみとるためにこの仕事に就いたわけではない。治らない病気はない」

 ▼マイナスの感情がすぐになくなることはなく、抗がん剤の影響で「心も体もボロボロ」になることもあるなか、「絶対治るから」と毎日言ってくれた家族の存在も大きかった

 ▼母校である高崎高校で選手、監督として甲子園の舞台を踏んだ。「家族と何でもっと時間をつくらなかったのか」との闘病中の思いも残しつつ、「自分が力を発揮できる場所は野球だった。野球が一番自分が必要とされる場所」と再び指導の最前線に立つ

 ▼自身の少し前に白血病を発症した競泳の池江璃花子選手が今月の日本選手権で4冠を達成した姿を「すごいです。よく時間を取り戻したな」と自分のことのように喜び、同じように患者を励ますことができたらと願う

 ▼先週、学校を訪れると、ノックバットを振り、選手を叱咤(しった)する姿があった。「すぐに疲れ、球も飛ばなかった」という一昨年とは異なり、次々と力のこもった打球を内外野に放っていた。病気になる前のように。

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