2021/05/02【三山春秋】渋川市中心街にある正蓮寺は…
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 ▼渋川市中心街にある正蓮寺は「牡丹(ぼたん)寺」として親しまれている。起伏に富んだ日本庭園に1500株のあでやかな大輪が咲き誇り、参拝者でにぎわう。今年は例年よりひと足早く、大型連休を待たずに見ごろを迎えた

 ▼見どころはもう一つある。境内は戦国時代に長尾氏の居城、白井城の出城が築かれた場所の一部。ぐるりと巡らされた堀や土地の高低差を生かした造りなど、城の名残を感じられる。庭園の高台に立つと、北方の白井城跡の新緑が目に飛び込んできた

 ▼「歩くことで、いにしえの記憶や街角に潜む“お宝”を見つけることができる」と話すのは、東京スリバチ学会長の皆川典久さん(前橋市出身)だ。各地で地形を観察しながら歩く楽しさを伝えている

 ▼起伏や道端の小さな碑など、車では見過ごしがちなものに気付くのが散歩の面白さ。見知った町も目線や意識を変えて歩いてみると、その地域特有の地形と結び付いた歴史や文化に触れられるというから奥が深い

 ▼確かに牡丹寺も、勧められて周囲を歩いたからこそ高低差を実感することができた。住宅や寺社の立ち並ぶ市街地がかつてはどんな景色だったのか、想像が膨らんだ

 ▼ウオーキングやジョギングを習慣にする人は多い。いつものコースを外れたり、ペースを落としたりしてお宝を探してみてはどうだろう。皆川さんの言葉を借りれば「歴史をひもとく冒険」になる。

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