2021/06/04【三山春秋】「王様クレィヨン」はレトロで…
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 ▼「王様クレィヨン」はレトロでかわいらしいデザインの箱に、トランプのキングの顔が描かれている。柔らかな描き心地で魅了したクレヨンの復刻版が、桐生市で本年度生まれた新生児に贈られている

 ▼子どもたちのためにと寄付したのは地元企業の「王様クレィヨン商会」。品質の一番良いクレヨンを作ろうと大正から昭和初期に東京都で創業し、学童用画材の分野で名をはせた。現在はクレヨンのほか、建築補修材を生産している

 ▼昭和期に拠点を桐生市広沢町に移してからも王様クレィヨンの製造を続けたが、平成になって間もなく製造を中止した。全国のファンからの惜しむ声を受け、荻野光一社長は昨年、クラウドファンディング(CF)を活用して復刻に挑んだ

 ▼「戦後はクレヨンが高価で、買った人は宝物のように使っていたと思う。そうした人たちの手にもう一度届けたかった」。CFは目標の200万円に到達しなかったが、集まった130万円で20色入りの1200セットを完成させた

 ▼今年3月、市制施行100周年を記念して500セットを市に寄付した。「生まれてきてくれてありがとう」。同封のポストカードには誕生を祝うメッセージを添えた

 ▼記念すべき年に生まれた子どもたちは数年後、どんな絵を描くのだろう。「王様クレィヨン」は桐生の未来を担う子どもたちから大切にされ、これからも愛されていくだろう。

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