2021/06/06【三山春秋】▼鎌倉幕府と聞けば…
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 ▼鎌倉幕府と聞けば「いいくに(1192年)つくろう」と反射的に口をついてしまう。受験勉強で語呂合わせにはずいぶん世話になった。ただ成立時期は見直され、最近の教科書では1185年としたり、段階的に成立したと説明するものが多い

 ▼歴史は史料の発見や研究によって正される。縄文時代の暮らしも「狩猟中心の不安定な生活」と覚えたはずだが、現在は「安定した定住生活」や「成熟した文化」へと記述が変わった。定説を覆すきっかけとなったのが三内丸山遺跡(青森市)である

 ▼遺跡を訪れたことがある。復元された大型建物に圧倒され、樹皮を器用に編みこんだ袋「縄文ポシェット」の精巧さに驚いた。まつりの場や墓などもあるムラを見て回ると、豊かな精神文化があったことに納得する

 ▼三内丸山など17の遺跡で構成する「北海道・北東北の縄文遺跡群」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録される見通しとなった。1万年以上続いた縄文時代に、国内外の関心が集まっている

 ▼本県の縄文期にも「圧倒的な造形美」とたたえられるハート形土偶(東吾妻町出土)をはじめ、価値ある遺物が多い。登録が身近な遺跡にあらためて光を当てる契機になるといい

 ▼自然と共生し、恵みを衣食住に利用した暮らしぶりは、現代社会が目指す持続可能な社会に似ている。いにしえの人たちの心に思いをはせたい。

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