2021/06/07【三山春秋】子どもに絵本を読み聞かせる時間は…
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 ▼子どもに絵本を読み聞かせる時間は、育児のなかで最も幸せな瞬間かもしれない。どんな赤ちゃんも笑顔にしてしまう『いないいないばあ』、料理と食べることが大好きな2匹のネズミ『ぐりとぐら』

 ▼子どもは同じ本を何度繰り返しても面白いらしく、読み終えるとまた最初のページに戻されてしまう。根負けするのはいつも親の方だ

 ▼米国の作家エリック・カールさんの絵本は特別だったように思う。青虫が果物や葉っぱを食べて美しいチョウに変身する『はらぺこあおむし』はページに穴が開いていて、触れて楽しむ玩具のよう。『だんまりこおろぎ』は、最後に虫の音が鳴り出す仕掛けに驚いた

 ▼世界中の子どもたちを魅了したカールさんが91歳で亡くなった。2000年には「時をつむぐ会」の招きで来県し、ファンと交流した

 ▼上毛新聞の取材に対し、自身の絵本が読書の世界へと導くきっかけになればいいと話し、保護者に向けて「お子さんを膝の上に乗せて本を読んであげて。時にはやさしく抱きしめ、触れ合い、愛と敬いの心を持って接してあげることが、子どもの読書には一番大事なことです」と訴えた

 ▼高崎市立中央図書館にはサイン入りの特大パネルが飾られている。笑顔のカールさんは両手を広げ、子どもたちが胸に飛び込んで来るのを待っているかのようだ。読書離れが進むなか、本を好きな子どもが一人でも増えるといい。

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