2021/06/08【三山春秋】部下を持つようになった頃…
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 ▼部下を持つようになった頃、父から「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」の言葉を贈られた。以来事あるごとに頭の中で繰り返し、立場ある人の言動や、その下で活動する人たちの表情、態度に注目するようになった

 ▼先月31日から3日間、群馬交響楽団の高校音楽教室が桐生、高崎、沼田の3市で計4回開かれ、いずれも群響ミュージック・アドバイザーの小林研一郎さんが指揮した。同楽団の音楽教室出演は初めてで、自ら熱望したという

 ▼「炎のコバケン」の愛称で親しまれ、81歳の現在まで国際的に活躍。そんな日本が誇る巨匠が本県の高校生たちと真摯(しんし)に向き合った

 ▼小林さんの提案で教室を担う若手指揮者のためにと、この3日間の模様を映像に記録した。群響での任期の最終年度でもあり、参加校はもちろん、楽団にとっても特別な時間となったようだ

 ▼1日の高崎芸術劇場には高崎高の900人が来場。ドボルザーク「ユーモレスク」では指揮をしながらマイクを握り、楽曲を人間の一生に例えながら場面ごとに解説。丁寧な言葉で楽しみ方を示し、音楽の世界に引き込んだ

 ▼最後はスタンディングオベーションでたたえた生徒たち。小林さんは「素晴らしい時間をご一緒できてとても光栄。音の群れを心に残し、これからの人生をまい進してもらえたらうれしい」と話した。情熱だけでなく謙虚な姿勢も胸に刻まれたはずだ。

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