2021/06/16【三山春秋】十二単のように重なるスナップエンドウ…
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼十二単(ひとえ)のように重なるスナップエンドウの葉。くるくるとうずを巻くキュウリのつる。農業の現場を撮影するカメラマン、網野文絵さん(34)=高崎市=は野菜の細部に焦点を当てた作品が特徴だ。普段気に留めない、不思議な一面に見入ってしまう

 ▼写真からは野菜への愛情があふれる。ところが、もともとは野菜が苦手だった。農業関連の会社に就職し、訪れた農家で一番苦手なトマトを勧められた。嫌いと言えずに一口食べてみたら、思っていたのと違う味に驚いた

 ▼畑へ行き、心を込めて栽培する生産者を知ると、苦手意識が薄れた。レンズを向けるうちに食べてみたくなった野菜もある。ユニークな視点の作品には「野菜や農業に関心を持つきっかけになれば」との思いを込める

 ▼春から秋にかけて子どもたちが農作業を体験する姿が本紙に掲載されている。田植えで泥だらけになり、土の感触を確かめながらサツマイモの苗を植え、ジャガイモ掘りに歓声を上げる。素直な反応がほほえましい

 ▼育てる難しさや味わう楽しさを体験すれば、食べ物への見方が変わってくる。地元でどんな農産物が採れるのか、興味の対象も広がるだろう。家庭や地域、学校でそんな機会を大切にしたい

 ▼今月は食の知識や健康的な食生活をはぐくむ「食育月間」。食べることは生きることだ。旬のものをおいしく、楽しく食べると心も体も元気になる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事