2021/06/19【三山春秋】焼き肉店を一人で堪能し…
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 ▼焼き肉店を一人で堪能し、遊園地やボウリングも一人で満喫する。積極的に一人時間を楽しむ体験をつづった朝井麻由美さんの著書『ソロ活女子のススメ』が面白い。今春、江口のりこさんを主演にドラマ化され話題になった

 ▼挑戦するのは家族や恋人、仲間と楽しむイメージが強い外食やレジャー。ドラマの主人公は本県など4県にまたがる渡良瀬遊水地を訪れ、気球にも乗った。気兼ねせず、好きなときに好きな場所へ行き、至福の時間を過ごす姿に共感する女性は多いだろう

 ▼最近よく耳にするソロ活だが、はるか昔の鎌倉時代にも勧める人がいた。兼好法師である。『徒然草』に、一人でいてやることがないと嘆いている人の気持ちが知れないとして〈まぎるる方なく、ただひとりあるのみこそよけれ〉と書いた

 ▼現代語に訳せば「心乱されることがなく、一人でいるときこそよいのだ」ということ。人と交際すれば相手に合わせ、本意ではないこともしてしまう。一人の時間を持ち、ゆったりした心で過ごす大切さを説いた

 ▼若者の間では「(ひとり)ぼっち」と揶揄(やゆ)され、無理して周囲に合わせてしまう人も多いらしい。時を超えた2人の提案は「そんなことに縛られなくていい」と背中を押してくれる

 ▼コロナ下で密とは無縁のソロ活はニューノーマルだ。「みんなで楽しむ」が難しい今だからこそ、一人時間の楽しみ方を考えてみたい。

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