2021/06/25【三山春秋】鉄製の手裏剣を…
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 ▼鉄製の手裏剣を本気で投げる機会があった。テレビで放映されていたアニメ「忍者ハットリくん」を思い出す。幼少期の記憶にある〈投げる手裏剣ストライク〉のメロディーと歌詞通りにはいかない難しさを思い知った

 ▼「岩櫃(いわびつ)真田忍者ミュージアム(にんぱく)」が、東吾妻町原町に全面開業した。手裏剣や鎖鎌など前橋市の収集家によって全国から集められた忍具約300点を展示。併設する遊び場では親子で楽しめる忍者エンターテインメントを提供している

 ▼戦国武将の真田幸村が率いる騎馬隊とVR(仮想現実)で戦い、真田氏の強さを伝えるゲームもある。遊びを取り入れ、地域の歴史に興味を抱かせるきっかけを与えている

 ▼東吾妻町にあった岩櫃城を拠点とした真田氏は、忍者を従え活躍した戦国武将といわれる。隣の中之条町は「真田忍者の里」を名乗り、忍者の墓が実在する。忍者が存在したという記述は地域に伝わる「吾妻記」や「加沢記」にもある

 ▼忍者といえば三重県伊賀市や滋賀県甲賀市の知名度が高いが、忍者を研究する三重大の山田雄司教授は吾妻地域について「忍びが活動していた痕跡がある貴重な地域」と注目する。国内外で人気のある観光資源がおよそ400年越しで身近になった

 ▼「影が光を呼ぶ―」。これが施設に込められた思いだ。忍者という影の存在が地域の未来を照らす光となるよう願う。

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