2021/07/06【三山春秋】希少な水生昆虫のタガメが先月…
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 ▼希少な水生昆虫のタガメが先月、館林市内で見つかった。1970年代前半まで県内各地に生息していたが、農薬の影響などで激減した。県の動物レッドリストで絶滅危惧(きぐ)種Ⅰ種に分類される

 ▼タガメはどう猛なハンターだ。カエルやメダカを鋭い鎌のような前足で捕まえ、獲物に細長い口を刺してまひさせた後、消化液を注入して筋肉や内臓を溶かして体液を吸うのだという

 ▼「体外消化」といい、ゲンゴロウの幼虫やアリジゴクも同様。こうした昆虫の生態を学ぶことができるのが、桐生市にある県立ぐんま昆虫の森だ。虫捕り体験もできる

 ▼生きものの生息環境を整える目的で里山を復元し、開館から16年になる。屋内でタガメを飼育しているが、園内の田んぼに生息していたわけではない。一度破壊した生態系を元に戻す難しさを痛感する

 ▼開園して間もなく、大量のトノサマバッタがいなくなったことがあった。観察のために捕獲し、放すというルールで捕虫網も貸し出していた。入園者が持ち帰ってしまったと思われたが、当時の園長、矢島稔さんは黙認。子どもたちの好奇心を尊重した

 ▼矢島さんは「『生き物と触れあわずに、命の重さ大切さなんてわからない』それが私の哲学である」とホームページでメッセージを発信する。大人の役目は、生物多様性を守るために何ができるかを考えること。子どもの探求の芽を育てたい。

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