2021/07/28【三山春秋】「ワトソン君、ちょっと来てくれ」…
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 ▼「ワトソン君、ちょっと来てくれ」。グラハム・ベルが電話機を発明したのは1876年。最初の通話は、ベルが助手のトーマス・ワトソンに向けたものだった

 ▼日本では14年後の90年に東京と横浜で電話事業が始まった。日本初の電話帳には官公庁や企業に交じり、渋沢栄一(158番)や大隈重信(177番)の番号も載っている

 ▼今や当たり前になった電話を、ようやく使えるようになった人たちがいる。耳の不自由な人や話すのが困難な人だ。通訳者を介して聞こえる人と通話できる「電話リレーサービス」が今月スタートした

 ▼専用のスマートフォンアプリやパソコンサイトを使うと、通訳者が手話や文字のやりとりを音声に換えて、相手に伝える。試験的だったサービスを制度化する法律ができ、110番など緊急通報を含めていつでも利用可能になった

 ▼県聴覚障害者連盟の早川健一さんは「ようやく、ここまできた」と喜ぶ。ファクスやメールはやりとりに時間がかかり、チャットは連絡先を知る相手に限られる。誰とでもリアルタイムで会話できるメリットは大きい

 ▼「聞こえる人が多数の世の中で、聞こえない人は不便な思いをしてきた。我慢に慣れてしまった面もある」と早川さん。スマホ操作が苦手な人にも、使いやすくなることを願う。聞こえる人にとっても便利な連絡手段だ。利用が当たり前になるよう関心を持ちたい。

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