2021/07/29【三山春秋】13年という時に思いを…
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 ▼13年という時に思いを巡らせてみる。東京五輪スケートボード女子ストリートで金メダルに輝いた西矢椛選手は13歳。日本最年少の金もさることながら、笑顔で競技を楽しむ姿に驚かされる

 ▼2008年北京大会は1歳にも満たず、以降リオまでニュースで見た程度という。だからか五輪のプレッシャーを感じさせない。「世界で知らない人がいないくらい有名になりたい」と大きな夢へ歩き出したばかりだ

 ▼ソフトボールの上野由岐子投手は13年間五輪の重圧を背負い続けた。北京では413球を投げ切り米国を破って頂点に立つ。だが、その後は実施競技から外れ、目標を失い引退を考えたこともあった

 ▼終わったはずの物語が動きだすのは16年。東京でのソフト復帰と師弟関係にある宇津木麗華監督の就任が後押しした。若い芽を育て、将来につなげるという恩返しもあったようだ

 ▼27日の決勝で日本は13年越しの連覇を果たした。最後の打者を打ち取った上野投手は右手を突き上げて喜びを爆発させたが、宇津木監督と抱き合った瞬間涙があふれ出た。孤高のエースが背負ってきたものの大きさがにじんでいた

 ▼ソフトは再び実施競技から消えるが、28年ロス大会では復活の可能性がある。試合後に語った「諦めなければ夢はかなうということを伝えられた」という言葉を信じ背中を追う子どもたちがきっといる。物語はまだ終わらない。

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