2021/09/07【三山春秋】キノコの種菌を…
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 ▼キノコの種菌を製造販売する森産業(桐生市)で貴重なシイタケ種駒が培養されている。6月に無人ロケットで宇宙に運ばれ、国際宇宙ステーションから戻った「宇宙種駒」だ

 ▼一般財団法人ワンアース(茨城県)が呼び掛けた「東北復興宇宙ミッション」の一環。東日本大震災から10年の節目に、被災地の農作物などの種を宇宙に飛ばし、帰還後に地域活性化に役立てる。シイタケ栽培が盛んな岩手県洋野町の依頼を受け、同社が協力している

 ▼種駒の大きさは通常1.75センチ×1センチ、重さ2~3グラムだが、今回は直径1センチの保存用チューブに入れることが条件で、総重量10グラム以内という制限もあった。そこで7ミリ四方、重さ約1グラムの種駒を特別に製作し、二つのカプセルに計4個を入れた

 ▼米フロリダ州のケネディ宇宙センターから6月4日に打ち上げられ、およそ1カ月後にフロリダ沖のメキシコ湾に着水。7月21日に同社に戻った

 ▼種駒からは十分な発菌が確認され、8月上旬に拡大培養が始まった。小学生による原木接種体験などに活用してもらうために培養を続け、早ければ11月中旬にも種駒が完成する見通し

 ▼同社は「帰還した宇宙種駒を無事に届けるため、丁寧に培養を進めたい。東北の復興を象徴するような堂々としたシイタケの成長を期待している」とする。被災地に託される「宇宙シイタケ」が新たな特産品になる日が待ち遠しい。

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