2021/09/18【三山春秋】デジタルトランス…
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 ▼デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をあちこちで聞くようになった。情報通信技術を使って、物事の仕組みを変えて便利にすることだ。パソコンなどで断片的にデジタル化していても、それらをつなげる仕組みが未成熟だという

 ▼代表例に音楽がある。音楽業界はレコードやCDを作って販売してきたが、現在はインターネットからダウンロードできるようにしている。アップル創業者、故スティーブ・ジョブズ氏の右腕として、かつてこの改革を行ったのが前橋工科大理事長の福田尚久さんだ

 ▼前橋市内で行った講演で「改革に大切なのは、論理的な正しさと納得感」と語った。音楽の流通が効率良くなることは論理的に正しく、収益増を約束することで音楽事務所を納得させた

 ▼講演を聞き、渋沢栄一の著書『論語と算(そろ)盤(ばん)』に通じるものがあると感じた。明治期に500前後の会社を創設した起業家は〈正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ〉としている

 ▼経済的損得の「算盤」と、「論語」に基づく道徳を両立させることで、改革の推進力を得て、時代や業界を超えた真理となってきた

 ▼当たり前と思っている仕事や日常生活にも、DXで改善できることはたくさんある。ただし、それがどんなに正しく思えても、自分勝手に押し通しては、周囲の反発を招きかねない。2人の言葉が鍵になりそうだ。

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