2021/10/05【三山春秋】主を失った家庭菜園を任されて…
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 ▼主を失った家庭菜園を任されて2度目の秋を迎えた。趣味の野菜作りと呼ぶには少し広すぎる畑は、週末ごとに通っても手入れが行き届かない

 ▼1年目は雑草との闘いに明け暮れた。農地を耕さない不耕起栽培をまねてもみたが、草むらをかき分けてナスやピーマンを探す羽目に。今夏はカボチャのツルが畑の中を縦横無尽に伸びて大小の実を付け、豊作につながった

 ▼冬野菜の種まきや苗の定植をしながら成長する姿を楽しんだり、熟したイチジクやクリなどの収穫の喜びを味わったりするうち、最近は実りをもたらす大地への感謝の気持ちが芽生えてきた

 ▼文化庁は7月、館林市の日本遺産「里沼」の構成文化財に近藤沼を追加認定した。市の南西部にある周囲約2.5キロの沼は、ブラックバス釣りの名所。一部を埋め立てた公園は市民憩いの場になっているが、かつて稲作が行われていた

 ▼明治時代の低湿地開発では、沼底の土を掘り上げることから「ホリアゲタ」と呼ばれる櫛(くし)の歯状の水田と水路が造成された。昭和40年代の航空写真を見るとはっきり分かるが、農地を広げようとした先人の苦労がうかがえる

 ▼実りの秋を迎え、こうべを垂れた稲穂が収穫の時を待っている。県内で最初の稲刈りは板倉町でスタート済み。邑楽館林地域の主力品種「あさひの夢」を手始めに川場村や旧倉渕村などを巡り、新米の食べ比べを楽しめたらと思う。

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