2021/10/06【三山春秋】米国の絵本作家…
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 ▼米国の絵本作家、アーノルド・ローベルの人気シリーズ『がまくんとかえるくん』は、2匹のユーモラスなやりとりや友情が心に残る。その中の『おてがみ』は、一度も手紙をもらったことがないと悲しむ「がまくん」に、「かえるくん」が手紙を書くストーリー

 ▼国語の教科書に長年採用されているこの掌編を収めた本は、県教委が子どもたちに読んでほしい良書を集めたブックリストにも載っている。絵とあらすじが紹介された冊子を見て懐かしい気持ちになった

 ▼手紙を待ち焦がれたり、相手を思ってつづったり。そんな機会はめっきり減ってしまった。年賀状を除けば、やりとりはもっぱらメールやSNS。手元には学生時代に買ったお気に入りの記念切手がいくつも残る

 ▼日本郵便によると、昨年度の郵便物は152億通。2001年度をピークに、20年でおよそ4割減った。ニーズの変化を踏まえ、従業員の働き方改革にもつなげようと、今月から手紙やはがきの土曜配達をやめた

 ▼深夜の仕分け作業もなくす計画で、普通郵便の配達にかかる日数は1~3日長くなり、投函(とうかん)翌日に届く地域はなくなるという

 ▼物語で、手紙は4日たって届く。かえるくんはその前に手紙を出したこと、なにを書いたかを打ち明けてしまうが、その中身を知っていても、がまくんは幸せな気持ちで待つ。速さだけではない、手紙の持つ温かさを思い出した。

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