2021/10/10【三山春秋】スマートフォンの写真を…
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 ▼スマートフォンの写真を管理するアプリに毎日「思い出」として、過去の同じ日に撮った写真が出てくる。例年今ごろの休日は地元の祭りやキャンプに出かけていたようで、幼かった子どもの姿が懐かしい

 ▼平日で多いのは酒場の風景だ。顔を赤くした中年男の記念写真や料理の記録。記憶があやふやで初めて見た光景のように驚くこともある。懐かしさと同時に違う世界の出来事にも思える

 ▼昨年まで多くの知人と交わすあいさつは「コロナが落ち着いたら一杯やりましょう」が決まり文句だった。いつからか「なかなか収まらないですね」になり、近頃は家飲みの楽しみ方を話題にすることが増えた

 ▼飲食店の不安も以前と様子が違う。なじみのとんかつ屋のおかみさんは「もう外食なんて忘れられちゃったんじゃないかしら」と心配し、旧知のバーのマスターは「最初はつらかったけど結局家飲みは安上がり、なんて言われるようになる」と嘆く

 ▼長いトンネルを抜けたと信じたい。9月末で緊急事態宣言を終えた。8日に県は警戒度を3に引き下げ、飲食店の時短営業要請も解除した。飲食と宿泊支援事業は15日再開だ

 ▼コロナが日常となり、私たちはあまりに我慢する生活に慣れた。感染には最大の注意を払いつつ、そろそろ動きだす時か。スマホにある昨年の写真は極端に少ないが、来年の今ごろは笑顔の「思い出」であふれているといい。

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