2021/10/18【三山春秋】上毛新聞文芸欄の…
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 ▼上毛新聞文芸欄の「青春短歌U20」で〈大切な君と歩いた帰り道思い出になる夢の時間が〉という歌を見つけた。中学生と言えば思春期まっただ中。わが娘も中学2年のころから同級生の恋バナに夢中だった

 ▼全国の地方紙が発行する子ども新聞の担当者会議で、必ず話題になる企画連載がある。2012年から17年にかけて本紙「週刊風っ子」にも掲載された「ときめく心『中学生相聞歌』」である

 ▼島根県の中学教諭、桔梗亜紀さんが生徒に恋の歌を詠ませた。事前に生徒と固い約束を交わした。「作者名は絶対に秘密にする」。詠み人知らずの相聞歌は世代を超えて共感を広げた

 ▼〈教室に入ってすぐのあの席にあなたがいると心が弾む〉(中3男子)。返歌は〈ちょーわかる今日も一日がんばろって自然に笑顔あっこっち向いた〉(中3女子)。誰もが中学校の教室でときめく瞬間を経験したことがあるだろう

 ▼ドキリとする歌もある。〈「アノヒトガシアワセダッタラソレデイイ」私はそんなお人よしじゃない〉(中3女子)。告白はできないが、相手の幸せを願うという恋の歌が多いなか、私はそんなにいい人ではないと言い切る強さが魅力的だ

 ▼連載をまとめた本が昨年、「水曜社」から出版された。ページをめくると〈お正月男ばっかの年賀状オレに女は必要ねーぜ〉(中3男子)という短歌があった。そんな強がりも懐かしい。

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