2021/10/22【三山春秋】空気が澄み渡る季節を…
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 ▼空気が澄み渡る季節を迎え、太田市の金山はハイキングを楽しむ人でにぎわっている。新田義貞を祭る新田神社、難攻不落とされた金山城跡など山中の史跡を巡る歴史散歩も人気がある

 ▼古里のシンボルを守ろうと、「金山清掃市民運動」が始まったのは1972年のこと。9月の第1日曜に麓の大光院に集まり、市民がごみ拾いや下草刈りに励む。今年と昨年は新型コロナウイルスの影響で中止されたが、50年かけてすっかり定着した

 ▼複数の市民団体でつくる「金山を美しくする会」が主催する。かつては山中のあちこちにテレビや冷蔵庫などの家電が不法投棄され、空き缶、たばこの吸い殻が散らばっていた。高度経済成長のさなか、自然環境保護や美化の意識は後回しになっていたのかもしれない

 ▼発起人の一人で元会長の久保田忠良さん(78)は高校時代、山岳部に所属し、険しい山々を攻略した山男だ。「古里の山が汚れるのは我慢ならない」と軽飛行機による上空からの呼び掛けで仲間を募った。苗木の無料配布、子どもの遊び場づくりと次々に知恵を絞り、活動の輪を広げた

 ▼企業、行政区、PTAが賛同し、ピーク時は4千人超、近年も2千人が集まる大イベントになった

 ▼「清掃で汗を流した人は、その後どこに行っても自然を汚さないはず」。半世紀にわたる活動を通じ、自然を愛し、古里を愛する気持ちが市民の心に根付いている。

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