2021/11/20【三山春秋】将棋界のビッグタイトル竜王を…
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 ▼将棋界のビッグタイトル竜王を獲得した藤井聡太四冠が生まれる4年前のこと。1998年11月20日付の上毛新聞に「藤井無敗の新竜王」と大きな見出しが躍った。沼田市出身の藤井猛九段の快挙を伝える記事だ

 ▼当時は七段。28歳の若武者はタイトル初挑戦で、谷川浩司竜王との7番勝負をストレートの4連勝で制した。報道陣のカメラが発するフラッシュをまぶしそうに浴び、控えめに喜びの表情を浮かべた。その後も羽生善治九段らを退け、竜王3連覇を成し遂げた

 ▼大駒の飛車を初期配置から左に動かして活路を開く戦法「振り飛車」を愛用する。考案した「藤井システム」は将棋の常識を変えた革命だった。その後、ライバルたちから徹底的に研究されたが、新たな発想を盛り込んで今も進化を続ける

 ▼藤井猛九段によると、棋士は2種類に大別できるという。勝敗にこだわる生粋の勝負師と、勝負そのものより研究に生きがいを見いだす学者タイプ。自身は圧倒的に後者だと言い切る

 ▼現在のトップ棋士のほとんどが飛車を振らない「居飛車」を採用する中では少数派。だが「ファンが喜んでくれる。将棋の素晴らしさを伝えたい」と研究に余念がない

 ▼猛、聡太の「藤井対決」はまだ公式戦で実現していない。もし実現したら、と水を向けると「誇りを持って自分のスタイルで指す」。全国の将棋ファンが注目する戦いを待ちたい。

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