2018/05/30【三山春秋】「ポウハタン号でアメリカに行って、世界を…
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 ▼「ポウハタン号でアメリカに行って、世界を回った人だよ」。高崎市倉渕町であった小栗まつりでたまたま居合わせた小学3年の男児が「小栗上野介(こうずけのすけ)(忠順(ただまさ))を知ってるよ」と言って教えてくれた

 ▼ポウハタン号は1860年、日米修好通商条約批准書交換のため、遣米使節が乗った米船。小栗も一員だった。地元の小学校に通う男児は授業で習ったばかりらしいが、すらすらと話すので驚いた

 ▼小栗は勘定奉行など幕府の要職を歴任。欧米での見聞をもとに横須賀造船所建設などを進めた。日本の近代化に果たした役割は大きい。しかし、薩長との主戦論が受け入れられず、領地のあった同町に退いた後の68年、官軍に捕らえられ斬首された

 ▼官軍に逆らう意図はなかったが「逆賊」の汚名を着せられ、長く正当に評価されなかった。小栗まつりは「正当な歴史観を学ぶ」機会として顕彰会が毎年開く

 ▼式典で市川平治会長は「勝者によって都合よく書かれ、埋没された歴史がある。小栗の功績も勝者によって矮小(わいしょう)化され、歴史の片隅に追いやられた」とあいさつした

 ▼今年は没後150年。まつりは27日の命日と重なった。主催者らは明治維新150年の「一方的な祝賀ムード」とは距離を置き「本当の歴史を見よう」と力を込める。郷土の偉人をきちんと知り、冒頭の男児のように誇ろう。

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