2018/06/24【三山春秋】継続するために、立ち上げの時以上にエネルギーを…
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 ▼継続するために、立ち上げの時以上にエネルギーを必要とすることがある。群馬県高崎市の名曲茶房「あすなろ」の旧店舗を使った「cafeあすなろ」(同市鞘町)が、高崎経済大生らでつくるNPOにより再開されて5年を迎えた

 ▼店舗が保存、活用されると聞いたとき、快挙に驚き喜びつつも、果たして長く続けることができるのかと危ぶむ気持ちもあった。しかし、先週開かれた記念式典で、店の切り盛りに試行錯誤する学生たちの姿に接して、案ずることはないと実感できた

 ▼同市本町にあった「あすなろ」が道路拡張のため鞘町に移転オープンしたのは、今から半世紀以上前の1965(昭和40)年6月のことである▼経営者で後に詩人として活躍する崔華國さんは、文化紙「あすなろ報」に、「今までの喫茶店建築の常軌を無視して大胆に全く冒険的な設計」であり、文化の砦(とりで)にしていくと、強い意気込みを綴っている

 ▼その言葉通り、文化・芸術に関わる数々の活動を繰り広げ、多くの人々に刺激を与えた。82年に閉店するが、店舗は曲折を経て残り、かつての姿を知る人にとっては思いもよらぬ形で復活した

 ▼学生たちは地元商店とメニューを共同開発したり、新しい交流の場として浸透を図っている。「あすなろ」の精神を、若い世代の方法で継承する、頼もしい取り組みである。



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