2018/07/03【三山春秋】萩原朔太郎はよほどの自転車好き…
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 ▼萩原朔太郎はよほどの自転車好きだったのだろう。不器用と言われた人らしく最初は何度も転倒し事故も起こしたが、諦めなかった。上達すると前橋市から旧国定村まで片道20キロの道のりを往復し「国定忠治の墓」という詩を残している

 ▼出身地の前橋が古くから自転車と縁が深いのも、そうした市民の気質が関係しているのか。ヒルクライムの開催など今も街おこしに活用され、プロアマを問わず大勢の愛好家が集う

 ▼近年は健康志向や環境問題への関心の高まりから、自転車熱は前橋に限らず各地で上昇中だ。観光振興に利用する自治体も増えている

 ▼太田市は今秋、東武太田駅北口を拠点に貸自転車事業を始める。11年前にも無料で貸し出したが、ほとんど返却されなかったそうだ。同じてつを踏まぬよう、管理徹底と利用者のモラルに期待したい

 ▼市は主力観光地の国史跡「金山城跡」を軸に、大光院や商店街、八瀬川などへの周遊性を高めて街巡りを促し、隠れた魅力を発掘してもらおうともくろむ

 ▼街の匂い、道端の草花、子どもたちの笑い声―。車の運転に慣れた人が自転車に乗ると、そこには普段と違った世界が広がる。朔太郎のように詩までは残せないにしても、五感を研ぎ澄ませてペダルをこげば、きっと新たな発見が待っているはずだ。太田の街からは、どんな魅力が見つかるか。

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