2018/07/06【三山春秋】「本県は世界で最もピアノが盛ん」と…
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 ▼「本県は世界で最もピアノが盛ん」と言ったら、信じてもらえるだろうか。5年に1度の総務省消費生活実態調査で、およそ30%に上る県内家庭のピアノ普及率は全国最高水準(2004年1位、09年2位、14年は電子ピアノ合算調査で9位)にある

 ▼ドイツ人医師のシーボルトによって日本に初めてピアノが持ち込まれたのは1823(文政6)年の今日のこと。経済発展を背に日本の普及率は1980年代に世界トップの20%に達したというから、本県が世界で一番とする見方もできるはずだ

 ▼日本での普及は、楽器メーカーが比較的安くて良質のピアノを作り、それも売らんかな主義でなく、音楽教育と一体化した文化活動の成果だ。加えて本県は、音楽教室や楽器販売を手掛ける煥乎堂によると「音の問題と恵まれた住宅事情」が味方しているという

 ▼近年は音が漏れない消音機能が一般化したものの、東京、大阪の普及率は15%程度だ。本県と同様に三重、滋賀、栃木など大都会周辺の各県がリードしている

 ▼ふと考えれば、ピアノ普及率は持ち家の取得しやすさとか、通勤時間、保育所待機児童数、物価水準とか、都会と地方の生活比較論議と同じ構図だ

 ▼今年の就活は売り手市場で、東京志向が強いと聞く。だが活動中の人も来年を見据える人も、古里の豊かさを忘れてもらったら困る。

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