2018/07/29【三山春秋】日本で最初の日刊日本語新聞…
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 ▼日本で最初の日刊日本語新聞「横浜毎日新聞」が創刊されたのは1871年1月28日(旧暦明治3年12月8日)のことだ

 ▼当時の神奈川県令が企画し、茂木惣兵衛、吉田幸兵衛、原善三郎ら横浜の有力生糸売込商の資金協力を得て発行に踏み切った。茂木は上野国高崎(現高崎市)、吉田は大間々村(現みどり市)の出身で、原は藤岡に接する武蔵国渡瀬村(現埼玉県神川町)の生まれ

 ▼横浜開港後、全国屈指の生糸生産地・上州の糸を主に扱い成功を収めた人物たちが、文明開化の象徴である新聞の誕生にも深く関わったのである

 ▼創刊の辞では、世界貿易の基本を見極め、商人たちの活眼を開かせることを目的に挙げた。「活眼」とは「物事の道理や本質を見通す眼識」。新聞人だけでなく、貿易の最前線で活躍した茂木らにとっても不可欠な資質だったに違いない

 ▼明治維新150年に合わせ、明治期の重要な事象、出来事を新聞がどう伝えてきたかを紹介する企画展「新聞が伝えた明治-近代日本の記録と記憶」(横浜・日本新聞博物館)で浮かび上がるのは、激動する時代を記録する記者たちの苦闘の跡だ

 ▼「横浜毎日新聞」創刊号(複製)や、大日本帝国憲法発布、日清・日露戦争、足尾鉱毒問題などを報じる紙面で新聞の役割と歴史を 掘り下げる展示を見て、活眼のもつ意味の重さを実感する。

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