2018/07/30【三山春秋】第159回芥川賞に決まった高橋…

 ▼第159回芥川賞に決まった高橋弘希さんは4年前に「指の骨」(新潮社)でデビューした。太平洋戦争中のニューギニア戦を題材にした作品は、1979年生まれの戦争を知らない世代が書いた戦争文学として注目された

 ▼高橋さんは、大岡昇平の対談集「対談 戦争と文学と」(文春学芸ライブラリー)の解説で、幼少期に〈戦争の疑似体験があった〉と振り返る。ただ、90年代以降に生まれた世代には、戦争がファンタジーになりつつあると指摘する

 ▼旧群馬町教育長やかみつけの里博物館長を務めた鈴木越夫さん(高崎市)は、戦争の体験を後世に残す活動に取り組む。2014年から「戦時下に生きた青少年の体験記」シリーズを手掛け、これまで4冊を出版した

 ▼延べ約300人を取り上げた。子や孫にも黙っていたことを初めて明かす人もいる。鈴木さんは「とても勇気がいることだ。家庭で戦争のことが語られるようになれば最高だ」と話す

 ▼鈴木さんの著書を原作とするドキュメンタリー映画「陸軍前橋飛行場 私たちの村も戦場だった」(飯塚俊男監督)が完成した。太平洋戦争末期、旧群馬町に建設された軍用飛行場がテーマだ

 ▼約40人の証言を収録。当時を知る人たちの言葉は、時間とともに薄れる戦争のリアリティーを呼び起こしてくれる。映画は8月4日から上映される。

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