2018/08/06【三山春秋】「臭い物にふたをする」と言えば…
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ▼「臭い物にふたをする」と言えばいいのか、「本末転倒」がふさわしいのか。西日本豪雨で決壊被害が相次いだ、ため池の防災についてである

 ▼農林水産省によると、決壊すると大きな被害につながる恐れがある「防災重点ため池」で、作成の必要があるハザードマップが公表されているのは35%にとどまった。理由には数が多くて手が回らないだけでなく、「危険だという話が広まれば地価下落を招く」「地元の集落がいやがる」なども挙げられていた

 ▼早期避難で人命を救う手掛かりになるハザードマップよりも、「地価への影響」が優先されたのでは悲しすぎる。十数年前、土砂災害危険箇所の区域指定について取材していて、同じような話を聞いた記憶がある

 ▼県と各市町村は、県内約400カ所の農業用ため池の緊急点検を始めた。全国一斉に行われており、今月中の完了を目指している

 ▼西日本豪雨では、広島県福山市のため池が決壊し、3歳女児が亡くなった。古いため池は老朽化が進んでいるものも多いという。二度と悲劇を繰り返さないために、入念に点検を進めてほしい

 ▼常識では捉えきれない昨今の気象である。いつ、群馬県も集中豪雨に見舞われるか分からない。台風シーズンはこれからが本番だ。備えあれば憂いなしという。過去の災害を教訓に、しっかり準備を進めたい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事