2018/08/20【三山春秋】数字で示すよりも、ひと手間かけることで…

 ▼数字で示すよりも、ひと手間かけることで実感を持ちやすくなることがある。例えば光の速度。秒速30万キロでは想像しにくいが、1秒間に地球を7周半すると聞くと、その速さが伝わってくる

 ▼新聞でも、読者の理解が進むように工夫を凝らす。周囲30キロの渡良瀬遊水地について、東京ドーム700個分と書いて広大さを表現。写真ならば、人や物を画面に入れて被写体の大きさを判断しやすくする

 ▼一般になじみが薄い古生代の生き物の「サイズ感」を伝える妙味を楽しめる本がこの夏、話題になっている。「リアルサイズ古生物図鑑 古生代編」(技術評論社)だ

 ▼全長1メートルの海洋動物がサバやスズキと一緒に鮮魚売り場に並んでいたり、長い円すい形の殻をもつ軟体動物がロンドン名物2階建てバスの屋根に縛り付けられていたり。さまざまな生き物が現代の景色に紛れ込んでいる

 ▼群馬県立自然史博物館が監修。学芸員の高桑祐司さんは「学術的な裏付けをしっかりした。古生物に興味を持ってもらえれば」と期待する。県内で見つかった古生代の化石では三葉虫やコノドントなどが知られている

 ▼同博物館は9月2日まで企画展「化石動物園」を開催中。背に大きな帆を持ち、図鑑では駐車場で休憩する姿が表紙を飾るディメトロドンなどと出合える。太古を旅して命について考えてみては。

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