2018/08/22【三山春秋】100回を数える歴史にあって、どちら…

 ▼100回を数える歴史にあって、どちらが勝っても「初」が冠せられる夏の甲子園決勝。東北勢初の全国制覇を狙う金足農(秋田)と、史上初となる2度目の春夏連覇が懸かる大阪桐蔭(北大阪)がぶつかった

 ▼節目の大会を大阪桐蔭が制した。準決勝まで全て完投の吉田輝星投手をノックアウト。藤原恭大、根尾昂の両選手らタレントぞろいで投打に充実したチームが前評判通りの力を発揮し、圧勝だった

 ▼決勝の初を含め、不思議な巡り合わせの大会だった。3年生の多くは2000年生まれ。20世紀最後の年だ。そして、今年は平成最後の大会でもあった

 ▼歴史の重みを意識した群馬大会の選手宣誓を思い出す。「高校野球はこの100年で人々に多くの勇気と感動を与え、人生を豊かにしてきた」。地方大会から多くの物語があった

 ▼昭和、平成の歌謡界に足跡を残した作詞家、故阿久悠さんの『甲子園のうた』に「少年は涙する」がある。決勝の勝者と敗者の「少年」を描写し、〈この場で大人になった少年たちが/誇らしく涙する 涙する〉と書く

 ▼少年が大人になる夏。元号が変わっても見続けたい姿だ。決勝の前日、今夏甲子園に出場した前橋育英のグラウンドを訪れると、東京の強豪校と練習試合のさなかだった。主力組は県外遠征中という。次に向けた戦いはもう始まっている。

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