2018/08/24【三山春秋】学校や仕事に半年以上行かず、…
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 ▼学校や仕事に半年以上行かず、家族以外とほとんど接しない「引きこもり」の人は全国54万人(15~39歳、内閣府推計)を数える。人口比からみて県内で1万人に上るのだろうか

 ▼元中学校長の斉藤峯子さん(高崎市)は7年前に定年退職後、不登校や引きこもりの悩みと向き合い続ける。やみくもに登校を促すわけではない。社会参加の機会が必要と考え、新しい居場所づくりに力を注いでいる

 ▼何を聞いても返事がなく、首を縦に振るばかりの少年がいた。ねじの組立工場に頼み、面倒を見てもらった。仕事ぶりを褒められ、表情が変わっていく

 ▼コンビニの仕事にやりがいを感じる少年、保育士になる夢を抱き保育のボランティアをする少女。自己肯定感が芽生え、生き生きとした笑顔を見て斉藤さんは語りかける。「じゃあ、勉強も頑張ってみようか」

 ▼引きこもりの事例が深刻化する今日、若者を受け入れる善意のネットワークが大きな支えだ。整然とした管理ノウハウよりも、困った時にひと肌脱いでくれる市井の人々の温かさである

 ▼斉藤さんは県青少年会館(前橋市荒牧町)の相談員・体験活動コーディネーターで、26日には引きこもりの若者の進路相談会が同会館で行われる。「社会は、あったかいところ」。支える人がいることを、独りではないことを、ぜひ伝えられたらと思っている。

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