2018/08/25【三山春秋】燃え盛る炎のような形の土器…
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 ▼燃え盛る炎のような形の土器、ゴーグル姿の宇宙人を思わせる土偶―。9月2日まで東京国立博物館で開催中の特別展「縄文―1万年の美の鼓動」が人気だ。縄文ブームの声もあり、来場者は20万人を超えた

 ▼縄文時代の土器や装飾品、土偶など約200点を展示する。目玉は新潟県出土の「火?(かえん)型土器」、長野県出土の「土偶 縄文のビーナス」など初めて一堂に会した国宝6点だ

 ▼本県からは赤色顔料を使った「漆塗彩文浅鉢形土器」(高崎市出土)、大きな環状突起が特徴の「深鉢形土器」(渋川市出土)、通過儀礼などに用いたとみられる「土製耳飾」(榛東村出土)など7点が並ぶ

 ▼特にハートの形をした愛嬌あいきょうたっぷりの顔でおなじみの「ハート形土偶」(東吾妻町出土)は「不思議だね」「かわいい顔」といった声が聞かれ、注目されていた

 ▼同じ北関東の栃木県から出土した「貝輪形土製品」は、内陸部で貝が入手しにくいため代替素材の土で作った腕輪という。貝に比べて腕に着けるには重そうだが、今も昔も変わらぬ海なし県ならではの憧れを感じた

 ▼縄文の独自の造形美は岡本太郎ら多くの芸術家を魅了してきた。その根底にあるのは身の回りの自然や生命への敬意と感謝という。3千年以上前の北関東人がこれらの作品に込めた思いは何だろう。想像するだけで楽しくなる。

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