2018/08/27【三山春秋】前橋市出身の詩人、萩原朔太郎…

 ▼前橋市出身の詩人、萩原朔太郎に「竹」と題した詩がある。〈かたき地面に竹が生え、/地上にするどく竹が生え、/まつしぐらに竹が生え、(中略)竹、竹、竹が生え。〉(詩集『月にえる』所収)

 ▼詩の前半は地下の根に焦点を当て繊細なイメージが広がる。引用した後半になると、天に向かって伸びる竹の力強さが印象的だ。最後の一節は生命力があふれる

 ▼わが家の敷地奥に細長い形状で使い勝手の悪い土地があり、そこに竹が繁殖、数年前から人が入り込めない竹やぶになっていた。このまま放置できないと、先日、業者に伐採してもらった

 ▼100平方メートル弱の土地にある数百本の竹を根元から切り倒し、粉砕機にかけた。倒れた竹を運ぶ作業を手伝ったが、一本一本は重くなくても数が多いため相当な重労働で、丸2日かかった

 ▼竹は長い間、人の営みと共にあった。タケノコを収穫、籠やざるに加工し、建物の土壁の芯にも使った。竹馬や竹とんぼなどで遊んだ人も多いだろう。ところが、プラスチック製品の登場などで徐々に生活から遠ざかった

 ▼今では各地で放置竹林が問題になり、竹は厄介者のような扱いを受ける。管理の不徹底が原因のはずなのに。プラスチックごみの海洋汚染対策が世界的課題になっている。機械で粉々になった竹を見ながら、利活用について思案した。

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