2018/09/15【三山春秋】館林市内を車で走っていて、周囲…
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 ▼館林市内を車で走っていて、周囲よりも高い所にある建物を見かける。大水への備えとして建てられた「水塚みつか」だ。渡良瀬川と利根川に挟まれ、水と共にある邑楽館林地域の歴史を感じさせる

 ▼水塚は水害の際に避難する建物。盛り土をして母屋より高い位置に建造される。屋敷地全体を盛り土した例もあるという。食料も貯蔵し、住民の生命財産を守る役割を果たしてきた

 ▼「館林市史特別編第6巻 館林の町並みと建造物」が完成、水塚の調査報告が載っている。渡良瀬川流域の大島地区を中心に22棟が現存するという。1910(明治43)年の水害や47(昭和22)年のカスリン台風などの災害時に、住民が頼りにしたのだろう

 ▼忘れる間もなく天災が頻発する昨今。市の防災アドバイザーを務める片田敏孝・東京大大学院特任教授は市内の防災講演会で、西日本豪雨級の災害について「たまたま館林が免れただけでどこでも起こり得る」と指摘した

 ▼万一の事態に備え、市は行政区ごとに災害時の対応策をまとめる「地区防災計画」の策定を始めた。地域の実情を反映させ、より具体的な行動計画にする考えだ

 ▼行政だけに頼らず、住民同士が助け合う「共助」の重要性が指摘される。台風シーズンはまだ続く。先人が身を守ってきた知恵を受け継ぎ、地域の力を合わせて災害に対処したい。

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