▼自粛生活で人との交流が減ったからか、年初に届いた年賀状や寒中見舞いが今年はことさら心に染みた。文字か...
2011年、東日本大震災による自粛ムードや風評被害による観光業への影響は計り知れないものでした。同年の...
群馬県桐生市で生産されたマスクを紹介する「メイドイン桐生マスク展」が22日、高崎市筑縄町の大和屋高崎店...
群馬、福島、栃木、新潟の4県にまたがる尾瀬国立公園で、登山シーズンが幕開けした。澄んだ空気を肌で感じ、貴重な高山植物を眺められるのが尾瀬の魅力だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、地元自治体や関係団体が「入山自粛」を求める異例の状況となっている。入山口までのタクシーやバスの運行が始まった23日には、関係者が啓発チラシを登山客に配り、感染予防を呼び掛けた。 尾瀬に向かう国道120号には「尾瀬自粛お願いします」と記した看板が立てられ、片品村観光協会や尾瀬保護財団はホームページでも入山を控えるよう訴えている。関係者によると、23日は午前10時ごろまでに鳩待口(同村戸倉)からの入山は5人にとどまり、例年の初日に比べて極端に少なかった。 「本当は閉めておきたい。苦渋の決断だ」。規模を縮小し、21日に同村で行った山開きの式典で、梅沢志洋村長はこう語った。新型コロナの感染拡大予防のために山小屋などが営業を見合わせる中で、入山者がけがや急病、遭難した場合、救助の手が行き届かない恐れがあることが、自粛要請の背景にある。 公園内は携帯電話の電波が「圏外」となる場所が大半。連絡手段のある山小屋が6月末まで営業を休止しており、遭難者らが助けを呼ぶのが難しい。救助隊も感染予防を踏まえた対応の中で、通常の救助作業は困難になるとみられる。 一方、観光の冷え込みによる村内経済への打撃は無視できない。同村は例年、学生の合宿などの受け入れによって団体客でにぎわうが、今年は緊急事態宣言後からキャンセルが相次ぎ、夏の来客も見込めない状況という。 誘客に力を入れたいという思いと感染拡大への懸念を「アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようだ」と表現する観光関係者もいる。スキー客が減少した冬場からの影響が尾を引き、疲弊する事業主も目立っており、入山自粛の動きが追い打ちを掛けることにもなりそうだ。 近年、尾瀬への入山者の減少が顕著になっていることから、入山自粛はさらなる“尾瀬離れ”を招きかねない。梅沢村長は「(尾瀬を訪れる)人が減れば、野生のシカによるミズバショウなどへの食害が深刻化するかもしれない」と山積する課題に声を沈ませた。